海外の大学院の出願を行っている最中に、「卒業論文計画書」の提出を求められた方もいるのではないでしょうか。
大学院進学の過程でこの書類が必要になるのは珍しいのですが、自分の志望する大学院が必要だったときには困ってしまいます。
この記事では、
「大学院進学のための卒業論文計画書ってなに?」
「卒業論文計画書はどのように作成すればいいの?」
といった疑問にお答えしていきます。
この記事を書いている私は、自身がエストニアのタリン大学に出願する際に卒業論文計画書の提出を求められ、実際に作成した経験があります。
第一志望であったドイツの大学院から合格をいただいたため、タリン大学の出願は途中で取り下げてしまったのですが、卒業論文計画書を含む書類選考は通過していました。
現在は海外大学院進学のために必要な書類や面接に関して情報を発信しています。
この記事が1人でも多くの海外大学院進学を目指している方のお役に立つことを願っています。
海外大学院進学のための卒業論文計画書とは
卒業論文計画書とは言葉の通り、
『進学先の大学院でどのような論文を執筆したいかをまとめた書類』のことです。
この書類の提出を求める大学院は、
・出願者のモチベーション
・出願者の将来性
・大学院のプログラムと出願者の考えがマッチしているか
などを評価/判断しようとしています。
上記の項目はすべて大切なのですが、最後の1つが特に重要になります。
プログラムの内容とは異なる関心を持った出願者を合格させることは、大学院側にとって何もメリットがありません。
大学院入学のためには、志望する大学の情報を正しく集め、提供されるプログラムに適切な卒業論文計画書を作成することが必要になります。
卒業論文計画書を書くための準備
卒業論文計画書を書く際には
・自分自身の情報
・志望先の大学院の情報
これらの2つの情報を詳細に集める必要があります。
なぜならこれらの情報が一致していない卒業論文計画書は魅力的ではなく、選考過程でマイナスの要素になってしまうからです。
極端な例ではありますが、最先端ロボットの研究をしている学部に、植物に興味がある出願者が品種改良についての卒業論文計画書を書いたとしても意味がないことは想像できるかと思います。
大学院の提供するプログラムと自身のバックグラウンドや興味、目標が一致している必要があります。
自分自身の情報収集
まずは下記の項目を自分自身に質問してみましょう。
なぜ?どうして?と自分自身を深掘りし、紙にどんどんメモしていきます。
・私は何に興味があるのか
・なぜそのことに興味があるのか
・大学時にどのような研究をしたのか
・どのような卒業論文を執筆したのか
・自身の研究から何が分かったのか、そしてどんな問題が見つかったのか
・大学院ではどのような研究がしたいのか
・なぜこの大学院が自身の研究のためにはベストなのか
・この研究は何の役に立つのか
箇条書きのほかにも、マインドマップやマンダラチャートなどの有名な方法を用いて自己分析するのも効果的です。
これらの方法の詳細は以下の記事に記載しています。
志望先の大学院の情報収集
一番確実かつ簡単なのは大学のHPで情報を集めることです。
なぜなら各大学のHPには提供されるプログラムの概要や教育目標、卒業生の就職先が記載されているからです。
オンラインで直接、志望校の教授や学生とコンタクトを取ることができる機会があるかもしれませんが、これは多くの人にとってはハードルが高いことだと思います。
まずはHPをよく読み情報を収集しましょう。
私はHPの情報のみで問題なく卒業論文計画書を作成することができました。
卒業論文計画書の作成に取り掛かる前にこれらの情報を集めましょう。
自身の考えと提供されるプログラムにブレのない文章を書くことができると同時に、作業時間を大幅に短縮することができます。
卒業論文計画書の言語に関して(日本語/英語/その他の言語)
基本的には英語でOKです。
私はエストニアの大学院に出願した際、英語の卒業論文計画書のみで問題ありませんでした。
推薦状やモチベーションレターと同様に英語の書類を用意しておけば大丈夫です。
よくある質問:どれくらいの文章量が適切ですか?
A4用紙に1枚が適性の文章量になります。
卒業論文計画は自身の考えている修士論文の概要や大筋が記載されていればOKです。
必要な情報をまとめればA4用紙1枚で十分でしょう。
もちろん、各大学が卒業論文計画書の分量を規定している場合もあります。その際は必ず出願規定を守るようにしましょう。
卒業論文計画書の作成方法
大学出願のための卒業論文計画書にはフォーマット(型)があります。
以下のフォーマットに沿って作成すればだれでも卒業論文計画書の原稿の作成が可能です。
私はエストニアの国立大学であるタリン大学に出願しましたが、書類選考は無事に通過することができました。
ぜひ参考にしてみてください。
卒業論文計画書に記載する内容
卒業論文計画書の要素を以下に書き出します。
これらの情報を集めてから原稿の作成に取り掛かるとスムーズに作成できます。
・執筆予定の卒業論文のタイトル
・現在の自分が卒業論文を執筆するためにどのような知識が必要か
また、今後何に力を入れて勉強していきたいか
・どのような手段を用いて卒業論文を作成するか
・なぜこの卒業論文を作成するのか、何の役に立つのか
・自分は何に興味があるのか
・なぜそのことに興味があるのか
・以前どのような研究をし、どんな論文を作成したのか
・その研究から何が分かったのか、または、どんな問題が見つかったのか
・大学院ではどのような勉強や研究がしたいのか
・なぜこの大学院が自身の研究をするためにベストなのか
・この研究によりどういった問題が解決されるのか
・氏名
・卒業した大学名
・住所 郵便番号
・連絡先(電話番号 メールアドレス)
ダウンロード:卒業論文計画書のフォーマット
いきなり英語で作成するのは、ほとんどの人にとって難易度が高いことだと思います。
まずは日本語で原稿を作成しましょう。
日本語で原稿ができたらそれを英語に翻訳していきます。
※フォーマットは参考程度にお使いください。
作成した英語で書いた原稿を確認してもらう
自身で作成した原稿は英文校正サービスを利用してチェックしてもらうことをおすすめします。
なぜなら文法のミスや不適切な表現の目立つ出願書類は印象が悪いためです。
日本語を英語に直す際に翻訳サイトを活用することがあるかもしれませんが、正しく翻訳されていない場合も多々あります。
英文校正の費用は依頼先や文章量にもよりますが、A4一枚なら約5,000~8,000円が相場です。
優先度としては履歴書、推薦状、モチベーションレターよりは劣りますが、志望順位の高い大学院の場合は英文校正を通して安心感を確保するのもよいでしょう。
まとめ
最後まで当記事を読んでいただきありがとうございます。
下記2点が今回のまとめになります。
・自己分析と大学院の情報集めをしっかりと行いましょう。
・フォーマットを活用し、大学院プログラムに適切な修士論文計画書を作成しましょう。
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大学院出願の際に必要なその他の書類
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履歴書
自分の経歴を簡潔にまとめた履歴書の作成方法を記載しています。
フォーマットを埋めるだけで海外大学進学の履歴書を作成することができます。
推薦状
どのように推薦状を取得するべきかを記載しています。
自分で推薦状を書かなくてはいけない方は特に必見です。
モチベーションレター
モチベーションレターが書類選考の鍵と言っても過言ではありません。
魅力的なモチベーションレターを作成する方法を丁寧に解説しています。
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書類試験の次は教授とのオンライン面接になります。
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